台湾の軍隊出身エアラインパイロット事情 日本人P志望者に愛の手を!

海上保安庁 自衛隊 航海士

はじめに

以前、台湾関係で
『台湾の自社養成パイロット事情』 と台湾の自費訓練パイロット(自費P)事情 
という2つの記事を書きましたが、今回はその続編的な記事になります。

『軍隊出身のエアラインパイロット』略して『元軍P』についても超簡単にまとめました。

日本にも自衛隊出身のエアラインパイロットは沢山おられますが、今回も巡航中にマンゴ元大佐(仮称)から小耳に挟んだ内容を思い出しながら、簡単に無責任にまとめました。

軍出身のパイロットといったらファイターパイロット

台湾には現在3機種の戦闘機があるようです。

F-16(アメリカ製)

ミラージュ2000 (フランス産)

F-CK-1(IDF)台湾産

※特にフランス産のミラージュ戦闘機は世界的にも珍しいですね。
フランス、台湾の他にはインドが採用している様です。
ついでにインドがどんな戦闘機を使っているかというと、F16、ミラージュ、Su-57スホーイ(ロシア産)だそうです。
最近クワッド等日米豪印の枠組み作りがニュースになる事の多いインドですが、ロシア製の戦闘機を採用している事だけを見ても、簡単にどこかの連帯に組して逆に影響を受けやすくなる事への警戒心が高い国である事がわかります。

軍出身のパイロットのエアラインへのアプライの仕方

まず仕事をやめていない状態で願書出せます。

①まず民間の身体検査基準を満たしているかの検査に行きます。(値段聞いていないけど高くても1~2万円だろうなぁ)

②それが問題なければ次に事業用操縦士の学科試験を受けます(自費で数千円だろうなぁ)

③それから英語TOEICも650点が必須(願書出す為の最低点)らしいので、持っていなけば受験しておきます。

この三つが揃えば願書が出せます。

※ここで日本の事情に詳しい人はメチャクチャに驚いているハズです。

民間の事業用免許は軍の人は日本も台湾も持っていません。

日本であれば学科試験だけでなく、実地試験も合格してライセンスを所持していないと願書も出せないのです。(訓練費忘れたけど500万以上は必要だと思う、国内訓練&国内試験)

エアライン採用時の身体検査の基準は台湾国の定める最低基準で採用しているか?

公表されていないが、元軍Pの間の情報共有によってはやり航空会社独自のより高いレベルの基準があり、そこを満たしていないと絶対に落とされる様です。

願書の段階で
①身体検査
②TOEIC
③事業用操縦士の学科試験の合格 のみですから、落とされる理由は身体検査だけですからね。

それからTOEICの実質的に求められている点数があるそうです。

元軍Pが願書を出す為の最低点は650点ですが、実際には750点以上が採用ラインに乗る為の点数らしいです。

ちなみに自社養成の願書を出す為の最低点は750点らしいですが、実質採用ラインは900点らしいです。

チャイナエアラインのHPの自社養成募集ページ

エバー航空の自社養成募集ページ

航空会社での試験内容は

シュミレーターを使用しての飛行技能試験です。(経験者なので飛行適正とは呼ばないハズ)

グループ面接30分程度? 受験生4人 面接官3名位

個人面接30分程度? 面接官3名 (全く質問せずに評価だけする人もいる)

何となく出身の戦闘機ごとに派閥?好み?みたいな者があってエアラインが決まるらしい

F-16出身者はエバー航空に集まり易いそうです。7割位?

ミラージュ出身者はチャイナエアラインだそうです。7割位?

F-CK-1(IDF)出身者もチャイナエアラインだそうです。7割ぐらい?

※ちなみに元軍Pといっても戦闘機だけではありません、C-130の様な輸送機、哨戒機等の出身のパイロットも当然沢山います。

※そして今までこの2社のみだったのですが、最近はスターラックスも元軍Pを採用できる様になったようです。

願書を出しても合格しない人と面接などで落ちた人はどうする?

ここまで全て軍を退職する前に行われていますので、受かるまで挑戦し続ければ良いのです。

ちなみに一回受験すると3か月間は再受験できません。

その後2回目以降の合格率はかなり低いらしく、そういう場合は引き続き軍で働けば良いだけだそうです。

日本で願書出すには特別な場合を除いて、軍を退職している必要がありますし、航空会社によっては退職後2年間の縛りを設けている所もあるようです。最近どうかな?

入社後に会社の訓練の流れの中でで事業用免許を取得する

入社後社内の『国に認められている元軍P用のSIM訓練』を受けて、最後に国の審査に合格すると台湾の事業用操縦士の免許と型式限定も付いて来るワケです。

考えてみれば、僕だって日本のATPL免許からイキナリ台湾のSIM訓練を受けて合格して、台湾のATPLライセンスと型式限定を交付されているワケですから、国がそういう元軍Pの為の訓練形態をしっかり定めていればなんら問題ないワケです。

結論

こんな元軍Pの就活事情を無責任に書くだけの記事に結論なんてあるのか?と思うかもしれませんが、あります。

日本の元自衛隊パイロットは退職して、自費で500万以上払って事業用操縦士の免許をゲットして、更に会社によっては2年間待ってから採用試験を受けてエアラインに就職します。

数万円かけて退職前に身体検査と学科試験を受けるだけの台湾と『天と地の差』があります。

パイロット人生の中で2年間って物凄く長い時間です。

家族いたら普通躊躇する長さですよね。

国の為に命をかけて働いた人間の日本での扱いが余りにも低すぎると思いませんか?

チョット話がそれますが普通に考えたら、もし戦争が起きたら日本を守る為に自衛隊の人からドンドン死んでいくんですよね? そういう気持ちで何年も働いてきた人に対して、日本ではなんでこんな不公平な取り決めがあるのかが、台湾の事情を聴いて改めて強い疑問として残りました。

以前書いた自費Pパイロットの記事でも台湾人は約1000万円で全てのライセンスが揃うのに対して日本人は約2000万円以上のお金がかかり、期間も倍でした。

少し前の記憶で今はどうか不明ですが、自衛隊の定年は55歳です。勿論民間企業より若干退職金などの条件は良いハズですが、それでも退職してから自分で職を探す必要があり、かなり苦労される方も多いと聞いています。

もし、30代でエアラインに転職できれば定年まで働けてますよね?

少し前も日本のパイロット不足で定年を68歳まで伸ばせるとか言う話がありましたが、その前にこの辺りにパイロット人材の無駄があると思います。

国の制度が硬直過ぎて、実際に自費訓練からパイロットになる門戸と自衛隊からエアラインPになる門戸が狭くなり過ぎていて、日本人でエアラインパイロットになる人の入り口を歪に塞いでいる感じを受けます。

官庁縦割りが強いと言われていますが、国交省と防衛庁の縄張り意識が影響しているのかもしれませんが、もう少し門戸を緩めて最終的に問題が出て来た時には航空会社を管轄する国交省が主導的に問題解決に当たれば良いと思います。

今日本はパイロット輸入国です。

しかし、英語さえクリアーすれば間違いなく日本人はパイロットに向いている人種です。

例えばフィリピンは船員輸出国で有名です。

一方ジェネアビのすそ野が広いアメリカのパイロットはそれ程海外にいません。

アメリカ国内での需要が強いからだと思います。

将来的に日本が優秀なパイロットの輸出国だと言われる様になる為にも、閉鎖的で不合理な規則を緩めて日本人の若い人がパイロットに成り易い環境を作りたいと思いました。

関連記事:台湾の自社養成パイロット事情

関連記事:台湾の自費訓練パイロット(自費P)事情

オマケの話

マンゴ元大佐が台湾のスーパーマーケットで買ったどら焼きを取り出して『これ好きなんだよね~日本語で何ていうんだっけ? あ~DORAYAKIね! ドラえもんが好きなんだよね~』とか言いながら

ネバ『軍からエアラインにドンドン人材が抜けたら大変でしょ?一年に何人くらい抜けるの? どうやって抜け過ぎない様に調節してるの?』

マンゴ『確かに抜け過ぎはヤバい 例年平均5~10人くらいエアラインに移ってる感じかなぁ OISHII~ だから政府も最近抜けやすい傾向が続いているから手当を大幅増額したりして対応してる。』
ネバ『もっと20代とかの若い人は抜けないの?』
マンゴ『軍に入隊する時にコントラクトみたいなのがあって、昔は8年くらいだったけど今は徐々に伸びて14年になってる。だから僕は14年を待ってエアラインに移ったんだよねぇ 14年が終わると次は5年?間とかのコントラクトになるので、そこからエアラインに移ると年齢が40歳超えて訓練が難しくなるよねぇ』

ネバ『経験者からエアラインでの訓練中に脱落する人いるの?』
マンゴ『いるよ 2020年はエバー航空が厳しく訓練するって噂があって、軍からのパイロットが全員チャイナエアラインを選んだよ』
ネバ『情報が駆け巡り方がメチャクチャ濃いね~ ※落ちた人どうするのか聞くのを忘れた』

ネバ『ところで最近中国の軍機が沢山来てるみたいだけど、そんなに沢山戦闘機が来るの?』
マンゴ『いや輸送機みたいなタイプの飛行機も混ざってるね Y-8、EY-8とか』

※今画像を貼っててミャンマーも中国製の軍機使ってる事に気づいた!

ネバ『あっちは運航コストが安い飛行機でプラプラ来て、台湾側は台湾側は毎回高い戦闘機だと経済的にも大変だよね』

ネバ『ところで中国の戦闘機って何使ってるの?』
マンゴ『J-11とかかなぁ ロシア製を中国で作ってる』

マンゴ『台湾の防衛識別圏には、こないだ一日に中国機20機が南北両方の端っこを入れ代わり立ち代わり通過してきたらしい。特に台湾の北の上空は日本、中国、台湾、アメリカ、それにロシアの飛行機までやって来る非常に緊迫したエリアなんだよね~ 台湾の管制は600NMのカバレッジを持っていて中国ロシアの航空機は色を変えて常に見張ってるんだよ』

ネバ『ファイターパイロットって、待機しててアラートみたいなのが鳴ると何分で離陸できるの?』
マンゴ『6分位かな』
ネバ『改めて聞くと凄いな ソレ 僕らエアラインは国内線でもショーアップしてから一時間、プッシュバックして離陸するのに20分位かかるからなぁ』
マンゴ『軍ではパイロットも他の作業を結構任されるから大変だよね エアラインは結構周りが準備してお膳立てしてくれるから本当に助かる』
ネバ『そのどら焼き何個持ってきたの?』
マンゴ『8個 一パック8個入りだから、、』
ネバ『へー』

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