航大・私大でパイロット免許を取得しても航空会社に内定できず、一般就活する人達への手紙⑪

私大操縦学専攻

航大・私大でパイロット免許を取得しても航空会社に内定できず、一般就活する人達への手紙⑪

航大・私大パイロット学科の就職率比較 【エアライン内定】が獲れる大学は? 
の記事でも分かる様に、2022年4月現在
パイロットに成る為に航大・私大に入学したにも関わらず、
厳しく長い訓練をくぐり抜けてライセンスをゲットしたにも関わらず、
卒業時に、どこのエアラインからも内定が貰えずにいる人が沢山います。
何十人といます。

今回の記事はその何十名の人達と、将来そういった厳しい状況に陥るかも知れない航大生・私大生の人達、これから航大・私大を目指す人達に向けて書きます。

内定を貰えずに野に放たれた彼らがどういう気持ちでいるかを一度想像してみて欲しい

入学が決まって本当に嬉しかったと思います。

友達も親も親戚も近所の人も
『念願がかなって良かったね!』
『凄いねパイロット!』
と祝福され、期待されて学生生活が始まったハズです。

卒業して就職できない場合、
航大生であれば、休学していた大学に戻る人もいるかも知れません。
しかし、当然ながら戻った大学には航大入学前にいた同級生はいません。
既に就職していたり、いても同じ大学の大学院にいたりします。

私大生であれば、普通の大学の様に3年次の終わり頃から就活などは、当然訓練などで死ぬほど忙しくてしていないし、物理的できないだけでなく、心理的にもできないと思います。
大学によって、多少時期は違いますが、どこからの内定が貰えない事が確定するのは卒業直前である事がほとんどだと思います。

研究生として大学の寮に残る人、半年か一年は一般就活の為に大学に籍を残して就活する人、卒業してとりあえず実家に戻る人。

『あれっあいつパイロットなるんじゃなかったのか?』
『今ころなで航空会社が大変で、優秀な人じゃないと内定貰えないらいしよ、大変だねぇ~(優秀じゃない人は、、、)』

こんな感じで
ただでさえ、内定をもぎ取った同期に対して引け目を感じざるを得ない辛い時期に、更に
関連記事【実話】私大航空学生同期全員で最後に一人残った未就職者の面接練習を日替わりで続けた話

不思議がられる。
同情される。
出来ない奴と思われている様に感じる(勝手に)

そして、私大であれば2000万円以上親に出してもらった学費が、もしかしたら全て無駄になってしまうのではないか??という不安や、申し訳なさに押しつぶされそうになる。

そしてそして、何よりもエアライン内定を貰えなかった事で、非常に落胆し、落ち込み、自分に対しての自信を失い易い状態になります。

しかも僕の時代と状況が違う

僕が航大を出て就職氷河期にぶち当たって、野に放たれてもがき苦しんだ時代はまだマシでした。

経験の無い純粋なライセンサーとして世に出て来る人材は【航大卒】と【自費P】くらいでした。
航空会社も自社養成の採用も止めたり、大幅縮小しましたので、不景気から立ち直ると急激なライセンサー不足になりました。
僕の様にショボくてクッサいだけのオッサンが、この仕事に就けているのは上記の様な構造があったからです。※当時はオッサンではありませんでした(笑)

しかし、今は私大の航空学部からも大量に卒業生が出てきます。

ただ、昔よりも日本の航空会社に必要なパイロット数は増えてはいると思いますし、2030年問題もあることはあります。
不足する有資格者数と野に放たれている有資格者数を単純に比べて、2030年までには全員業界に吸収されるだろうと予測する人もいるかも知れません。

急激に就職氷河期が解けたとしても、ブランクによる優先順位で苦しむ

例えば、
2025年までは就職氷河期が続いて大量のライセンサーが就職待ちの状態になっていたとします。
2026年から2028年にかけて、急激にエアラインがライセンサーを搔き集め始めたとします。
こんな状態があった時に、エアラインが2026年に採用していく順番は直近に有資格者になった人達からになると思われます。
2022年4月に卒業した人達よりも、訓練が終わったばかりの2026年4月に卒業した人達の方が技量が上回っていて入社後の限定変更訓練で苦労する比率・度合いが低いことが予想されるからです。
2~300時間飛んでライセンスだけ持っている状態でのペーパーパイロット状態での数年間のブランクはやはりマイナスです。

【一回ライセンサー就活したら二度目はご遠慮くださいルール】も厳しい

最近は就職氷河期過ぎて、卒業前に一通り募集がかかっているエアラインへの就職活動時もエントリーシートで落とされたり、、も結構あります。

そして、【ES落ち】であっても、一回は受験はしたことになり、
【原則的には2回目の受験はできないです、ご遠慮ください】
としているエアラインがほとんどです。

例えば2022年春の段階で、スタフラは暫くパイロット要員の募集を止めています。
ですから将来スタフラが募集を再開する時は、未就職の人も一回も受験していないワケで、ESを出す事が許されるだろう、、、でも再開いつかは全く不明、、夏頃?? 秋頃??やっぱり無さそう??みたいな噂に気持ちが振り回される状態だったりします。

こんな状態なので、やっぱり一般就活するしかない!と考えられるか問題

『一般就活するしかない!』
と誰もが考えますが、訓練期間を終えて頭の中がパイロット一色になっていると、、
※普通【P一色】になります。

『今までの就職率を考えると、もうすぐ氷河期が終わるハズ』
『もうすぐスタフラの採用が始まるハズ』
『オリエンタルブリッジがやるらしい、、』
『航大は私大と違って、国土交通省パワーがあるので、そのうち大丈夫なハズ、、』
関連記事:なぜ私大の就職率は不景気時に航大より劣ってしまうのか?
『朝日航空とかの自費の人よりも大学とエアラインの繋がりが強そうなので、有利かも、、』
関連記事:自費パイロット国内訓練校/朝日航空の口コミ&評判と就職状況

などと超楽観的に粘ってしまう人もいるかも知れません。
そして、超楽観的に粘ってしまう人がやることは、
【情報集め】のみ、、、、
【いつでも入社できる様にバイト】、、、
【家の手伝い、、実質プー太郎】、、、
関連記事:航大卒業後、就職を期待しながら一年以上【ニート】してる人達への手紙⑤
だったりするかも知れません。
本当に少数派だとは思いますが、ポロポロ出て来るエアライン就活に気を取られ過ぎると、知らない間にこういう状態に陥る可能性もあります。

たとえ内定を貰っても、訓練フェイルの可能性もほんの少しはあります。
ましてや内定すら無い状態は、将来パイロット職に就けるかどうかは、完璧に不明で【神のみぞ知る状態】です。
とにかく内定の無い状態は可能性ゼロなワケですから、まずは現実を直視して【一般就活】という普通の判断に至って欲しいと思います。

一般就活するにしても【航空関係】に固執してしまう人多し!

『とりあえずCAとしてでも、エアラインに進入しておくべき!それがP就職に繋がるかも??』
『使用事業とかでも何でもイイので、航空関係で仕事をしておいた方が採用時にプラス評価になる』

などと、どこから仕入れてきたか不明な情報を信じている人も結構いるし、そういう情報が無くても心情的に航空業界にいたい!と考える人もいます。

人の人生を大きく左右する就職先・業界に関してコメントするのは、非常に難しい問題ですが、
少なくても僕の周りの人に話を聞く限りにおいては、航空業界にくい込んでおくメリットはほぼ無いという意見がほとんどです。

もうパイロットとしての可能性がゼロになったとして、新たにどういう仕事をしたいか?について考えて就活する業界については答えを出して欲しいと思います。

世の中で自分の力が最大限に発揮できる仕事を見つけて欲しいと思います。
奨学金などの返済がある人は、シッカリと自分で返済できる仕事について欲しいと思います。

※自社養成に挑戦して、卒業までに内定をゲットできずに、勢い余って航空関係の会社に固執し過ぎて後悔する人も結構いると感じています。 
航空会社が求めている人材は基本的には【優秀な人】であって、【航空業界にいる人】では無いハズです。

一般就活時には、辛い嘘を付かねばならない。嘘を付いて欲しい!

普段、学生さんと面接練習する時には、できるだけ嘘で盛らずに話す内容を考えます。

事実を曲げること無く、捉え方や感じ方を盛る程度に抑えるのが僕の基本的な方針です。
※ガクチカが無さ過ぎる場合は事実部分を盛りますが、、、

そんでもって、航大や私大航空学部を出た学生が一般就活する時に

『今はP就職氷河期で、でも2030年問題があるので、もしかしたら2~3年のうちにお呼びがかかって航空業界に戻れるかも知れません。なので私は能力が劣るから、仕方なく一般就活をしているのではなく、航空業界の氷河期の影響で一時的にこういう状態になっているのです。第一希望は当然今もパイロットです。』

と面接で喋るとどうなりますか?

100%内定なんて出ないです。1000%出ないです。

エントリーシートに、就活先では全く使えない『事業用操縦士』などのライセンスも書かないでくださいよ!
『だって、自動車の普通免許も書くし、同列じゃん!』と思う人もいるかも知れません。
でも普通免許は業務で使う可能性あるのに対して、飛行機免許はゼロです。
航空業界に後ろ髪を引かれてる空気が伝わります。
『なんだコレ、業務で使えないパイロット免許をわざわざ書いて能力が高いことをアピールしたいのか?この人は?』
と人事から捉えられます。

それよりはMOUSなどの、どうでもイイ様な資格を2~3日勉強して取って書いた方がマシだと思います。
関連記事:パイロット免許の関連資格7選 1ミリでも内定率を高める方法
※もちろん面接でパイロットのライセンスを取ったかを聞かれたら、正直に取ったと言ってください。

そして、本題ですが一般就活時に面接官から
『なぜ航空会社ではなく、当社を希望されるのですか?』
『航空会社は諦めたのですか?』

と業界の志望理由、個別の会社の志望理由を聞かれた時にキッパリと嘘を付いて欲しいのです。

例えば
『パイロットの世界には航空身体検査という国が定める基準があります。
私はその基準は満たしているのですが、航空会社が独自に設定している更に厳しい基準は満たしていない様です。
その基準はどこの会社も公表していません。
よって、航大・私大入学時には絶対に知り得ない情報ですから私の様な状況に陥る人間が数名出る事は避けられないことです。
実際に身体のどこの部分が基準に満たしていないかは、会社側からも教えて頂け無かったのですが、私の方で改めて細かく調べて貰った所、普段の生活には全く支障が無いのですが【脳波】か【視野】の一部で引っ掛かったのではないか?というのが私の中での結論です。

ですから、今まで数年間頑張って免許も取得しましたが、今後パイロットの職に就く事は絶対に無いだろうと考えています。
航空会社の採用試験に落ち続けた時期は当然落ち込みましたが、今は誰もが出来ない貴重な体験をさせて貰えたと考えて、改めて自分の人生設計について考え直しました。
そして今、御社を受験させて頂いております』

こんな感じで嘘を付いて欲しいと思います。

ほぼコレしかないと思います。 【脳波】【視野】以外に何か他にも少し案があるかも知れない程度だと思います。

二重人格のススメ

【ミステリーと言うなかれ】というドラマが最近ありましたが、その中でも親による虐待を受けた女性が、苦しみから逃れる為に【二重人格・多重人格】を発症する、、、という設定もありました。

卒業してライセンサーとして、少ない可能性にかけて生きている状態は非常に苦しい状態です。

僕からのほんのショーも無い提案ですが、
『積極的に故意に、二重人格になって欲しい!』と思います。

例えば、航大三次試験で落ちた人にも言えることだけど、

【落ちて、絶対に諦めない自分】と
【来年もダメだった時どうしようか?を考えてしまう弱気な自分】
【もうキッパリ諦めようかなと考える自分】が攻撃し合って、苦しくなったりすると思います。

そういう時に一時的に、緊急避難的に、【二重人格】という言葉を使って、両方の自分の気持ちを認めて、許してあげて欲しいです。

航大入試を目指したたり、厳しい訓練に打ち勝ってきた気持ちの強い人だからこそ、自分を責める時の強さも他の人より鋭くなってしまうと思います。
どうか不遇な状態の自分を責め過ぎずに、大切な時間を過ごして欲しいと思います。

そして、やはり最後に言いたいこと

【努力】や【不運】や【葛藤】や【苦しみ】や【不安】は、

人生にとって【無駄なモノ】では無い。
【マイナス】でも無い。
【肥やし】以外の何モノでも無い。
と考えられる日、分かる日がきっと来ます。

【不遇な状況】は自分から敢えて貰いに行くモノでは無いかもしれませんが、避けまくらなければイケないモノでもありません。

前に進もうとすれば、するほど絶対に喰らってしまう副産物であって、勲章みたいなモノです。

人生が【サイコロを振る人も振らない人も、時間が来たらアガらないとイケないスゴロク】だとしたら、勲章が多い方がイイかもなぁ~と少し考えてみてもらえたらなぁ~と思います。

そして、僕のまとまりの無い、殴り書き的内容の記事を最後まで読んでくれてありがとうございます。
一人でもこの記事を読んで、少しでも前に進んで貰えることで、僕自身が何十年も前に野に放たれて苦しんだ日々も報われ、より意味のある時間に塗り替えられていきます。

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