ド文系NM君の航大受験合格体験記【物理未履修から2年間の奮闘記】
はじめに
航大受験は理系が圧倒的に有利だと言われています。
僕も正直そう思います。
超シンプルに航大の合格率が10%、自社養成が1%だとします。
そして、もし自分が大学1年生の文系学生でパイロットに成る為に、【航大一本】or【自社養成一本】or【両狙い】の3択で考えるとしたら、【自社養成一本】を選ぶと思います。
【自社養成】の採用試験は文系理系関係なく、英語力重視ですから徹底的に英語力を上げて挑戦します。
どれだけ数物が苦手なのか?どれだけ英語が得意なのか?どれだけ大学時代の時間を勉強に費やせるのか?(バイトや部活を減らせるのか?)など様々な要因も関係しますが、パッと見の合格率は航大が10倍ですが、英語力を上げまくった文系学生にとって【自社養成の実質的な合格率】は航大と比べて同程度かそれ以上になるかも知れないと思います。
今回は文系というハンディキャップを乗り越え、苦しみながら【航大最終合格】を勝ち取ったNM君に航大受験体験記を書いて貰って、文系出身で航大受験を考えている学生さんの参考にしてもらおうと言う記事ですが、決して『文系でもやり方さえ間違わなければ理系と同等に闘える!全然大丈夫だから文系も躊躇なく航大を目指そう!』的な無責任で軽いノリの内容ではありません。
まずを本編を読んでください、あとがきで一緒に考えましょう!
NM君の航大受験奮闘記本編
こんにちは
NMです。
今回は2年間にわたる航大の受験の体験を書きました。
航大を目指す方のお力になれればと思います。
【1年目】
航大受験を決めたのは2020年3月のことでした。
この年の受験(令和3年度)はオリンピックの影響で10月が一次試験だったので、半年くらいの勉強時間でした。
高2までは理系にいましたが、生物選択だったので、物理を履修していませんでした。
高3で文転し、受験で数学は使ったものの、ほとんど忘れているというような状況でした。
去年ほどまだ航大受験に関しては情報が出ておらず、何をやっていいかわからなかったため、確実な情報が得るためにも某予備校に入りました。
どの科目も過去問をメインにやれと言うことだったので、過去問と予備校のテキストは全て解けるようにしました。
あとは時事問題をYouTubeで確認したり、頻出である和製英語やことわざをまとめて学習しました。
やれって言われたことやったしいけるだろ!と思って本番を迎えましたが、実際に解いてみるとあれ?????となっていました。
総合Iは時間がないし、物理、数学は過去問と違う(当然ですが)から分からない。
終わってからこれはやばいかもな〜と思いつつ自己採点をするも総合Iを除いて7割程度。
合格発表までの数週間はなかなかしんどいものがありました。
嫌な予感は的中し、一次試験の合格者の中に自分の番号はありませんでした。結構メンタルにきて、その後の数ヶ月は航大の一次対策はできませんでした笑
1年目の敗因は、適切な勉強方法が分かっておらず、必要な対策が全くできていなかったことだと思います。
基本が全くわかっていないまま、過去問やあまり問題数が多いとは言えないテキストを解き続けていました。
過去問をやることで傾向は掴めるかも知れませんが、物理に触れたことがない自分にとっては、あくまで過去問は全く同じ問題はもう出ないことが確定している問題でしかありません。
【2年目】
翌2月ごろからやっと勉強するかぁ…となり、夏前くらいまでは言われた通りに過去問とテキストばかりやっていました。
1年目に解けるようにしていることもあって、基礎はよくわかってないけど令和2年度までの過去問は完全にわかるという状態になっており、今なら解けるんじゃね?と令和3年度の試験を解き直してみましたが、本番の時と変わらず7割程度しか取れていない。
真に理解できていないので当然なのですが、このままではやばいかも?と思い始めていたところで一桁台の募集を発見しました。
一桁台では、市販の問題集でどのような勉強をしているかを詳しく聞くことができました。適切な教材を適切なやり方で学習したことで、効率の良い勉強ができました。
また、いつでも質問でき、合格しているという信頼がある相手がいるということは安心感につながりました。
【総合I】
一桁台で、総合Iが重要と仰っている先生がいらっしゃいました。
自分は、1年目は予備校のテキスト以外何もやっていなかったのですが、本番は時間が足りなくなってしまっていました。
そのため、2年目は、一桁台でおすすめされた市販の教材で対策をしました。
その結果、令和4年度の試験では9割程度取ることができ、数物の苦手を補うのに繋がりました。
【総合II】
自分は数学は青チャート、物理は漆原の面白いほど分かるシリーズとエッセンスを扱いました。
数学はある程度やったことがありましたし、高校時代は青チャートを1番よく使っていたからです。
物理は本当に基礎の基礎から分からなかったので、絵も多いし分かりやすい漆原と、一桁でおすすめされていたエッセンスを選びました。
これを何度も繰り返し、完璧に解けるようにしました。
航大の数物は問題によって難易度にかなり差があると思います。
適切な教材、適切なやり方さえ分かれば、基本的な考え方が分かるようになり、簡単な問題は落とさないようになります。
また、航大の数物の特徴として、マークシート方式である、という点があります。
正攻法で解くのは難しくても、基礎さえ理解していれば、消去法や当てはめで解くことができる問題が何問かありました。
1問で何十位も変わってしまう航大の受験ではとても大きいことです。
結果、数物においては文系の自分でも8割4分ほどの得点を得ることができました。
【英語】
スタディサプリのTOEIC対策を毎日1時間継続してやり続けました。その結果、一次の段階では800点台、現在は900点台までスコアを上げることができました。
これは三次試験やその先の就活を見据えての勉強でもありましたが、おかげで英語の耳ができていました。
一次試験のリスニングは正解が発表されないので、おそらくにはなりますが一問間違えてるかどうかだと思います。
数学物理のやばさをどうにかするのを優先したので英語はそこまで勉強していなかったので、令和4年度の試験中にもうちょっと和訳の練習しておけば良かった〜と思いました。
個人的には反省点で、和訳の添削を他人に頼ってやれたらもっと自信を持てたかなと思います。
【まとめ】
このように適切な勉強方法を知り効率的に努力さえすれば、ほとんど触れたことがない教科があっても合格をいただくことができます。
自分のように、貴重な一年を無駄にする人を増やしたくありません。
令和3年度は一次の合格発表を待っている期間、歩いてて気が付いたら涙が出てるくらいメンタルやられましたが、令和4年度は(前日こそ去年の悪夢が蘇り全く寝れなかったものの)合格発表待ちの期間も二次、三次に向けてのアクションが取れていました。
今の努力はその先の何ヶ月もの精神の安定にも繋がります。笑
どうかこの記事が航大を目指す皆さんの勉強の一助となれば幸いです。
効率的に、でも死ぬ気でやってください。心より応援しております。
NM
あとがき
本編に書かれていませんが、NM君は受験勉強以外の大学生活をかなり、ヤバイくらい(笑)犠牲にしています。
(※受験期間中にどれくらいの勉強時間だったか等、また聞いておきますね。)
最初の話に戻りますが、理系の人は数学・物理にそれほど時間がかかりません。
【航大一本】にして、一次試験の3~6か月位前から他の生活を多少犠牲にして合格する人が多いイメージです。
更に長期的に準備できる人は、英語力も年数をかけて上げまくって【両狙い】をしています。
準備が早ければ早いほど、大学生活(単位取得、バイト、部活)などと両立して進められます。
一般的に英語力が低い理系学生の中で英語力が上がれば、一般就活にも相当有利になります。
ですから、理系学生にとって航大を目指す事はそれ程リスクがなく、メリットが多いのです。
一方、文系学生が時間をかけて、苦手な数学・物理をやりまくっても一般就活では何の役にも立ちません。
航大受験に何回かチャレンジしても合格に至らなかった時のダメージは理系と比べて遥かに大きいのです。
文系の学生にとって【両狙い】は更にパイロットへの確率を減らしてしまうと感じます。
数学・物理に時間が取られて英語力を上げる時間が不足するからです。
(語学力は特に勉強時間に比例します)
『だから文系学生は航大を狙うな!』とは絶対に言いません。
やりたい事が何でもできる幸せな国、日本に生まれた幸運は最大限享受してください。
でも『2~30万予備校にお金払えば文系でも何とかなるやろ!なるかも、、』みたいな場末のキャバクラの常連客みたいな安易な考えでは、遠回りして逆に人生の大切な時間を無駄にしかねません。
間違っても2~30万の為にバイトを頑張ったりしないでください(笑)
※毎年の航大受験者がほぼ1000人だとして、そのうち殆どの受験生は独学です。
関連記事:航大合格者の愛用問題集【※ランキング有】独学必勝勉強法!体験記90名
何十人、何百人向けの予備校が河合塾の様な【給料の高いレベルの高い講師】を雇えるでしょうか?
毎年の傾向を反映した【高いレベルの教材】を作れるでしょうか?
そもそも航大受験の科目は数学・物理・英語がメインで、大学受験と比べてソレ程難易度も高くなく河合塾等の日本一の講師が書いている日本一の教材を使って、航大受験者特有に必要な情報は出題傾向などです。
『それって予備校じゃなくても十分お安く入手できるよね?』と当然の様に考えられる様になってください。
期待される予備校の方がが可哀そうです。
外形を整えるだけで精一杯です。
普通の予備校がしない涙ぐましい????な努力・活動で、組織を維持するので手一杯です。↓↓
関連記事:【パイロット養成:航大】 系予備校の監視業務が裏目って逆に袋叩き事件
最近は航大を目指す学生達のオープンチャットで活発な意見交換がされています。
※2022年4月現在『航空大学校を目指している人』というLINEのオプチャは400人以上が参加しています。
ツイッターでは受験者や合格者達(元受験者)がコメントし、親切な人はDMにも答えてくれます。
航大を目指している文系学生の皆さんには、徹底的に勉強法に関する情報を集めてNM君の様に一次試験会場にいる段階で実質的に敗北が決定している状態を絶対に避けてください。
そして、コレから航大を目指す事を考えている文系学生の皆さんには
【航大一本】にするのか?
【自社養成一本】にするのか?
という一番最初にジックリ考えなければならない問いに対する答えを出してから、前に進んで欲しいと思います。
学生時代はあまり感じないかもしれませんが(特に本人は)、パイロットを狙う様な学生さんは概して、能力も意識も周りの学生より高いです。
特に航大を狙う文系学生が、大学三年次に普通に一般就活しなかったり、その結果大卒後プー太郎状態で航大受験生活を送っていたりするのを見ると、本当に複雑な気持ちになります。
彼らの能力とやる気をそのまま日本の為に活かせたら、どれほど素晴らしいか、、、と感じます。
最後になりますが、航大を目指す全ての受験生にエールを送りたいと思います!頑張れ!
NM君は一桁台【R5】の先生です
ツイッターにもオプチャにも現れない系の人です。
今回は合格体験記というか、理系科目をどの様に仕上げてきたのか?を中心に、特に文系学生さんの参考になる様な作文をお願いして書いて貰いました。本当にありがとうございました。
【航大学科一桁台チャットグループ】参加者募集!シーズンⅡ【R5】航大一次対策
オマケ:NM君と最初に話した時はメッチャ暗かった
今僕はシーズンⅡの一桁台参加者の学生さんと数分のZOOM面談してますが、同じ様にNM君とも2021年夏前位にZOOMで話をしていました。
その後の3次試験対策でZOOMに来て面接練習してると全然以前の様な暗い感じが全く無く『アレっNM君って以前面談した時に暗いイメージあったけど、、、?』って聞いたら『たぶん、あの頃メンタルが結構最悪期だったので、、』って言ってました。
本編に書いてある通りに、初対面のオッサンと喋る時に明らかな差が出るほどやられていたっぽくて笑いました(笑)
メンタル大事!
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