『コミュニケーション能力』は面接で使うな!言わずに伝えろ!

面接戦略②初級

そもそも面接官が面接で一番確認したいことはコミュニケーション能力です。

面接に来た学生がどんな人柄であるかを確認するのが面接ですが、そもそも学生が『努力家』だろうが、『行動派』だろうがなんだろうが『コミュニケーション能力』がなければ絶対に合格出しませんよね!
まずは面接官の質問に沿って、流れにのって『努力家』なのか『行動派』なのかを説明しなければなりません。
という事で面接で究極的に見られているは『コミュニケーション能力の有無』です。

しかし、だからといって開口一番『私の長所はコミュニケーション能力が高い事です』というのはいかにも短絡的だよね?!

この記事では、この一番大切な『コミュニケーション能力の伝え方』を取り扱います。

キャリアセンター等では、とにかく『みんなでワイワイ汗流して、積極的に助け合って声かけあってコミュニケーション能力で乗り越えた!ワッショイ』みたいに書いておけばOK的な指導が多いです。が、、、、、、気を付けてください(笑)

コミュニケーションって何だ?

『コミュニケーション』という言葉は沢山の意味を含んでいて、その曖昧さゆえの便利さから日常会話の中でも高頻度で使われる言葉です。

便利に使えちゃう。何でも含んじゃう!そりゃみんな使うわ!なのです。
面接は会話の一つの形態だから当然『コミュニケーション』という言葉も、沢山出て当然!とも考えられますが、初対面の相手に自分がどんな人間であるかを具体的に伝える場である面接で、曖昧な言葉を使うのはチョット危険です。

普段の会話はなんとなく、だいたい伝わる事が大切ですが、面接はできるだけシャープにクッキリ伝えたい場のはずです。

『コミュニケーション能力』を細かく分類してみよう!

『コミュニケーション能力』が情報感情を伝える能力だとしたら、

自分から相手に情報を発信能力は、情報発信能力、①喋る力  ②表現力(ジェスチャー、表情)
自分から相手に気持ちを伝える能力は、③本音をさらけ出す能力
相手から情報を受け取る能力は、④理解力
相手から情報を受け取る環境を作る能力は、⑤聞く力 理解力 、包容力、
相手からの気持ちを受け取る能力は、⑥理解力、共感力 察する力
まともに受け取らない方が良い情報を遮断する ⑦鈍感力
相手が嫌がる言葉を言わない⑧忖度する力 空気を読む力
相手の情報と気持ちと自分の情報と気持ちを全て理解した上で、真ん中近辺にある落としどころを見
つけて解決策を提示して、相手の譲歩を引き出す⑧交渉力
相手の良い部分を見つける力⑨
相手の良い部分かどうかは別として相手の喜ぶ言葉を発する力⑩
相手の悪い部分を見つける力⑪
相手の悪い部分かどうかは別として相手の嫌がる言葉を発する力⑫
ディベート力⑬
2~3歩先まで気を利かせて声をかけられる 気遣い力⑭
(ネバギバにはない)情報や気持ちを文にする作文力⑮
場の雰囲気が良くなる言動ができるムードメーカー力⑯
場にそぐわないスットンキョウでしかも多少愛される言動ができる天然力⑰

まだまだ視点を変えれば死ぬほど出てきますよね~

※ググれば早いだろうけど、こういう部分はブログ読者さんのヒントになる可能性があるので、全てを網羅するキレイな分類より多少ズレてても脳みそに引っ掛かりやすい事に主眼を置いて、その場で考えて挙げる様にしています(笑)言い訳か!

こんなに沢山の言葉に分類できるという事は?

『コミュニケーション』という言葉は、多くの概念を包含する巨大で、しかも太陽の様に輪郭のハッキリしない高次の抽象ワード、いわば『キング・オブ・抽象ワード』なのです。

なので例えば面接の自己PRとして

『私の強みはコミュニケーション能力です。具体的には〇〇が◇◇になった様な時に、2~3歩先回りして、気を利かせて声をかけてあげる事ができます。』

と話しをしたとしましょう。

面接官の頭の中は『確かにその具体例はコミュニケーション能力について語っているなぁ~、、でもなんかモヤモヤするなぁ~ 待てよ、これってコミュニケーション能力というか気遣いができます!ってコトが言いたいんだよなぁ ホッわかりやすい言葉が見つかって良かった。』

の直後に再びモヤモヤしてきて

『チョット待てよ、であれば最初からコミュニケーション能力でなくて、長所は気遣いできます!でいいんじゃね? なんで敢えてコミュニケーション能力と言うか!この学生は? 日本語が弱いのか? いやっ気遣いできるんだったら、たとえ少し日本語弱くても俺にこんなモヤモヤを生じさせない為に、もうチョットわかりやすい言葉をシッカリ選んでくるはずだ。
ちゅうことは本当は気が利かない学生で、そのコト自体に気づけずに長所として使ってる辺りを見ると逆に空気読めてないなぁ コミュニケーション能力マイナスの評価付けとくか! まぁ厳しい顔すると話しづらいだろうから、ニコニコしながら「どんな時にどんな風に気が利いたのか?」をもう一個言わせてみるか、、、』

となるワケです。

一つ目の結論はこうなる!

ここまでの結論としては、『コミュニケーション能力』を長所として挙げたいのであれば、一段階具体側に降りてきた抽象ワードである『気遣い力』『交渉力』『聞く力』等を挙げるべきとなります。

よって「コミュニケーション能力が私の強みです!』は言わない方が良い!

次に二つ目の問題点は?

『コミュニケーション能力及びその下にぶら下がっている抽象ワード・形容詞群』は成長勾配が出にくいんです。チョット説明してみます。

『昔はコミュ力低かったけど、今は高いです、、』

とか

『昔は交渉力が低かったけど、今はガクチカを通して高くなりました!』

みたいに持って行きにくいんです。

そもそもは自己PR的長所・強みは学生時代を通して伸ばして来た後天的なモノを提示するべきです。

例えば学生が面接で

『大学に入る前はコミュ力が中の上でした。

そして大学生活を通して、今も中の上です。

この様に私は一貫してコミュ力高めです!私の長所はやっぱりコミュ力です。』

みたいな言ったらどう思う?

面接官は

『大学時代は何を頑張ったんだこの人?コツとか掴んで伸びてないのこの人? あそっか!この学生は長所を聞いたから、学生時代に伸びたとかそういう事を全く何も考えずに、自分の長所をバカ正直に答えたんだな! そもそも面接で何をアピールするかを理解できていない!コミュ力無し確定だな! もうここで面接終わってもいいくらいだけど、さすがにそれは感じ悪いよなぁ 他の長所は?って聞いても今さら準備してないだろうし、コミュ力が発揮されたエピソードでも聞いてあげようかなぁ、、、』

となっちゃいます。

そんなワケで、『コミュニケーション能力及びその下にぶら下がっている抽象ワード・形容詞群』は成長勾配が提示しにくい事がわかってもらえたと思います。

実際には提示できる場合もないわけじゃないです。

例えば『交渉力』『ディベート力』を上げた具体的なエピソードを付けてどう伸びたか?どの様にコツを掴んで伸びたか?を言えば良いのですが、それでもそういったエピソードが静的になりやすく、頭の中で強く意識する事で改善した!みたいな改善トピックはイメージしにくく不利になります。

二つ目の結論はこうなる!

コミュニケーション能力が高い奴は中学校位から一貫してコミュニケーション能力が高い!みたいな事は誰もが体感してしまっているし、実際大学時代に部分的にコミュニケーション能力を伸ばしたとしても、それをアクションのある具体的なトピックで説明するのが難しい場合が非常に多い。
よって(再び)「コミュニケーション能力が私の強みです!』は言わない方が良い!

『コミュ力が高い事』をこう伝えろ!

コミュ力低い学生はこうしろ!

コミュ力低い学生が『コミュニケーション能力が高いです』と言った所で面接で1~2分喋れば、すぐにそうでない事はビシバシ伝わります。

長所をコミュ力以外の事柄に変えましょう。

そして面接ノートをシッカリ作りこみ、質問に対して的確な答えを炸裂させ続ける事で面接官に『この学生は喋りは下手だけど、下手なりに自分の頭の中の考えをまとまった言葉にする能力が結構高いなぁ~』の流れに持ち込みます。これしかないですよね!
不器用だけど必死に伝えようとしている姿は逆にオッサンの心を鷲掴みできる! かもしれない(笑)

コミュ力高い学生はこうしろ!

そしてコミュ力高い学生ですが、自分の長所の中で成長勾配が出しやすいモノを『自分の長所』として使ってください。

あなたのコミュ力の高さは面接の10分間で絶対に伝わりますし、絶対に評価されています。

安心して『2番目の長所』を使い、不器用組を引き離して、より高い評価を狙いに行ってください。

2番目の長所は何でも良い!ツマラナイと感じる位平凡なモノで良い!

『コツコツ努力タイプ』 『行動力タイプ』 『質向上タイプ』
※話は脱線するが、面接とは

前半でツマラナイ位小さな成長に喜びを見出す姿を謙遜しながらシッカリ伝え、『好感度』と『リアリティーから来る発言への信頼感』を獲得しておいて、後半に隙を見て『突き抜けるほど高い目標意識』を(前半で醸成した信頼感を土台として)面接官の喉元に突き刺す格闘技です。

だからガクチカは平凡で小さくツマラナイもので全く問題ない!

オマケ

今回は長所として『コミュニケーション能力』を挙げるなという記事でしたが、文中でも述べた通り『コミュニケーション』は高次の抽象ワードです。

面接で『コミュニケーション』という言葉をできるだけ使わない意識でノートを作ってください。

全然難しい事ではありません。
言い換えワードがいっぱいありますし、言い換えると必ず抽象段階が一段下がっていてわかりやすい言葉になっているはずです。

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