原始時代の面接  喜久雄の牛3頭をゲットせよ!

ネバギバ式履歴書・ES

原始時代の面接  喜久雄の牛3頭をゲットせよ!

今年になって、ツイッターやブログを使って、履歴書添削&面接対策のアシストを始めましたが、これまで10年以上は全て学生さんと電話か直接会って極力文字を使わず対策をしていました。

履歴書出すのに文字無しで対策ってどうやってたの? と思うかもしれませんが、対策する順番はまず面接練習から始めて、自己PRトピックの重要性を知ってもらってから、ひたすら自己PRトピックの洗い出し。ダラダラ文的作業:「ダラダラ文」で濃いトコ絞り出せ! (初級)

それができたら履歴書に書く内容について全てディスカッションして、面接で普通に話ができる所(面接中級)まで持って行って、最後に履歴書などの紙と鉛筆を渡します。
すべて伝統古典芸能か!という位、口頭でのやりとりでした。

そんな中で面接に対するイメージを変えてもらう為、また自分の指導法の意味を理解してもらう為にも、今回記事に書く内容(小話)を話していました。

今から就職活動をする人、履歴書で行き詰まった、面接で何を話して良いかわからない。
どんな部分でもここに書いてある内容が少しは役に立つはずです。
決して【HOW TO本】には書かれていない一番深い、一番基本的な事を書きます
5分あれば最後まで読めます。(もう一分経ったのであと4分)

始めにお願い 

『履歴書って何?』『面接って何?』について超シンプルにポイントを掴む為に、

原始時代の採用試験があったらどんな感じになるかについて想像しながら解説します。

大切な事を伝える為の発想としては物凄くイイと思うんだけど、僕自身の文章力が無さ過ぎて読みづらい部分もあります。協力的な姿勢で読んでください(笑)

まずは時代設定

時代は狩猟とか農耕とかで食べ物を確保していた位のイメージ。

毎年の気候の変動で大きく収穫量が増減して、飢饉や餓死も数年に一度繰り返されるといった、昔は当たり前だけど今風にいえばギリギリの生活です。

社会は村単位に分かれていて多少の貧富の差があるものの、概ね同じような生活水準で散在していました。

次に状況設定

ある年A村で病気が流行り、働き盛りの20代が一度に5人死んでしまいました。

長老は村の危機と捉え、村の貴重な財産である牛を一部手放してでも近隣の村から働き盛りで村の役に立つ若い男を一人交換で連れてくる様にA村のある男(喜久雄)に命じました。

喜久雄は牛3頭を引き連れ、近隣の村々を周りながら牛3頭の価値に匹敵する若い男を捜し歩きました。

村々に着くと、喜久雄はその村の人間達に事情を説明し、訪れた村で健康で賢いとされる若い男を紹介してもらい会いに行きました。

喜久雄の人の見分け方

この喜久雄は何を聞くでしょうか?

『あなたの長所はなんですか?』 ではありません。
そんな時代に『長所』などという抽象的で高度な語彙は存在しません、(そういう設定ってことで、、、、)
『資格はお持ちですか?』でもないでしょう?

となると、多分こんな感じの会話になるはずです。

『最近どう? 狩猟とか農耕とか? 生活とか? 』
『上手くいってる? 狩猟とか農耕とか? 生活とか?』
『苦労してる事ある? 狩猟とか農耕とか? 生活とか?』

若い男の答え方

そんでもって、聞かれた男は

『昨日あそこの山でイノシシが罠にかかった』とか
『あの罠は食いちぎられて逃げられたので、違う種類の草のツルを使って作り直している』とか
『今年は曇りが続いたが、以外に米は実の付きが良かった。 田んぼに住む虫が影響してるかも』とか
『満月の日に子作りすると丈夫な子が生まれやすい』とか
『歌が好きな女が、農作業中に歌を歌い始めた。皆で歌を歌いながら作業するとなんだか元気が出て頑張れる』とか
『月や星を見るのが好きな男がいて、川の水の量が月の動きと関係あると言い出した。よくわからんが水は大事なので、その男には農作業の負担を少し減らして夜空の観察を頑張る様に村で決めた』とか
『村の祭りで使う大人の踊りを子供達にもさせたら、子ども達の病気が減った』とか

(※この段階で若い男の話は「志望理由」でも「自己PR」「自己紹介」ですらありません)

喜久雄はこの男の具体的な話を沢山聞いて、この男が牛三頭の価値があるかを判断しました。 
抽象的な言葉がない時代ですから当然こうなります。

これが面接の原型です。、、という事にします(笑)

喜久雄が現代の面接官になったら、、

さてこの原始的なやり方の採用試験にそのまま現代に持って来て、良い人材を見分る事ができるでしょうか? 
(エントリーシートなし&履歴書なし&抽象的な言葉を聞く側が言葉知らない状態です。)
答えは『YES』です。

喜久雄が現代の面接官になったとします(再び強引な設定、、)

例えば、受験生が『私はチャレンジ精神があります』と言えば
喜久雄は『私はチャレンジ精神という言葉を知らない、それはいったいなんだ?わかりやすく言ってくれ、そうじゃないとお前に牛3頭の価値があるかを判断できない』と言うでしょう。

例えば、受験生が『私はコミュニケーション能力があり、仲間と切磋琢磨して一生懸命頑張って効率を最大化させる事ができます』と言えば、

喜久雄は『コミュニケーション能力はどんなもので、なぜお前はその力を持っているとわかるのか? どんな時に使うモノか? 『切磋琢磨』とか『一生懸命 』等となんだか回りくどい言い方してるけど、結局頑張るって事か? それなら、ややこしい言い方せずに『頑張る』一回でいいじゃねーか! そういう言い方はコミュニケーション能力がある状態か?ない状態か? 効率を最大化って結局田んぼの米とかが去年より沢山採れるって事か?わかりやすく言ってくれ』

と言って、受験生から具体的な話を引き出して牛3頭と比べるでしょう。

喜久雄の頭の中は超シンプル

喜久雄の頭の中は常にシンプルです。
『目の前の人間の話を具体的に聞いて、この人間を牛3頭と交換して連れて帰ると将来A村の食料が増えてA村が豊かになるかを原始的な脳みそで必死に感じているのです』

具体的な話を聞いて、具体的な話のまま理解して頭に叩き込んだのか、
『若い男は物知りだなぁ』位の簡単な抽象ワードに置き換えてから頭で理解したかはわかりませんが、喜久雄にとって具体的な話を相手から聞き出す事は必ず必要な作業なのです。

3頭分の価値があると思われる為の方法

もしあなたが、A村に入りたい受験生だとしたら、面接でいうべき事は何でしょう?

喜久雄は具体的な話(トピック)を聞きたがっています。  
特に喜久雄と話せる時間が10分とかに限られていたら、『コミュニケーション能力』などの抽象的・概念的言葉や『切磋琢磨』などの強調してるだけの無駄な言葉を極力減らして、
自分が将来A村の食料が増える要因になると思ってもらえそうなトピックを、
最初から超超具体的に話始めますよね。

『面接の肝』はそこなんです。
抽象的な言葉を並べても伝わらないんです。
「証拠」が欲しいんです、あなたに価値があると判断する為の具体的な「材料」が欲しいんです。

そして、ブログを読んでいる学生さんがもうスグ受けるであろう就活での面接官の頭の中は喜久雄とどれくらい違うでしょうか?

まず脳みその大きさは喜久雄と同じです。
面接官も生まれて少なくとも10歳くらいまでは喜久雄と同じ思考レベルだったと思います。
そして、面接官は『俺は喜久雄とは違う高等な生き物だ』と考えているかもしれませんが、本当に四六時中抽象ワードばかりの本を読んでいますか? 
具体的な場面設定が続くドラマや映画を見て、心を揺さぶられて涙したりしてませんか?

そうです。現代人もほぼ喜久雄なんです。

抽象ワード、強調ワードはどこから来るのか?

現代の学生の皆さんは、なぜか抽象ワード、強調ワードを連発して威張りたがるのです。

喜久雄は知っています

『20代は経験が少なく即戦力にならない事を』

『多少賢い奴より、やる気のある人間が将来役に立つことを』

そして何回か面接官をやれば、

『コミュニケーション能力は狩猟にも農耕にも大事だ そしてコミュニケーション能力がある奴は、俺が具体的な話を聞きたい事を事前に予測して、理解しやすい具体的な話をいきなりしてくるなぁ』

『自分の経験が足りない事を知っているなぁ 謙虚で威張らないなぁ』

と感じます。

面接で難しい言葉を駆使して『威張る』『主張する』事は、逆効果でコミュニケーション能力が低いという判断にしか繋がりません。

しかし、そんな感じの面接をすべきだと考えている学生さんはとても多いです。

面接官が喜久雄でなくて、もし受験生が面接で『私はチャレンジ精神があります』とだけ言ったとして、面接官が『なるほど、うちの会社はチャレンジ精神がある社員を今一番必要にしていると社長もこないだ言ってました。うん、君イイね!採用!』とは絶対ならないのです。

ここでなぜ学生の皆さんが、それでも抽象ワードを多用して威張ってしまうのかを説明します。

一つ目は『ビジネス界』という未知の世界・大人の世界に対する誤解・偏見

①ドラマの見過ぎによる先入観
②履歴書の書き方的本の読みすぎ
③キャリアセンターの画一的な指導
④先輩・同級生からの経験と根拠に基づかないヤバいアドバイス

(※転職用だと文体も大人であるべき&抽象ワードはダメだが、専門用語も当然入れるべき)

堅苦しいビジネス用語・ビジネス会話なんか、最初から使えなくていいんです。丁寧な言葉遣いができればそれで充分です。
喜久雄は分かってくれます。

勿論ビジネス口調などを自然に使えるに越したことはないのですが、普段使っていない言葉を背伸びして無理やり使おうとするので、抽象ワードと強調ワードばかりの理解しにくい日本語になってしまうのです。

二つ目は、履歴書(文字数制限)の弊害

原始時代には履歴書は存在しませんでしたが、時代は流れ、大企業ができ、大量の履歴書を一度集めて、その書類段階で面接に呼ぶ人間の数を絞る慣習ができました。

その為、面接で話すべきトピックを履歴書上に短い字数で表現する必要が発生してしまったのです。

既に抽象ワードを学校で習っている現代の学生は、皆『面接で話すべきトピック』を抽象ワードを使って少ない字数で履歴書上にまとめました。

しかし面接よりも先に履歴書を書く慣習が広まりすぎて、そのうち『面接で話すべきトピック』を考える前に履歴書の字数に合うように、抽象的な言葉で履歴書を埋めてしまう人がドンドン増えて来ました。

具体的なトピックがないまま履歴書が完成する緊急事態です(笑) 
それが今の状態です。

更にオマケとしてなぜ威張った感じの文章になるかを説明

例えば『あぜ道の形を工夫して、収穫量を増やした』という具体的な記述を

抽象的に変えると『改善策を模索し、作付面積当たりの収穫量を最大化した』等となります。

抽象的な文章は『どんな時も、、、できます』的なニュアンスが入り込みやすいのです。

本当に『作付面積当たりの収穫量を最大化できた事例』が沢山あれば良いのですが、一個、二個位だと面接でトピックを話す段階になって、喜久雄に「たった一回二回位で偉そうな事言ってこの男は!」と思われてしまします。

私の伝えたい事

ここまで読んで頂ければ、もう私の伝えたい内容はなんとなく予想できると思います。

私がこれまで面接対策でしてきた順番で物事を進める事が「就職活動の序盤でその目的を見失わない為」にも大切な事なんです。

イキナリ履歴書を目の前にして、空白を埋める様に文章を書くのではなく、喜久雄に対してこんな事を話したら、『こいつはA村の将来の食料を増やしてくれるかも!』と思われそうな、自分を一番売り込めるトピックを見つけます。 
(※でも最初からアピールしようと意識しないでください、自分の関心事をポロポロ話すだけにしてください)

この先はそれぞれのレベルに分けて、ブログ記事を書いていきますので時間のある時につまみ食いしていってください。

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