新潟空港 ピーチ機緊急着陸について 緊急まとめ!

航空関連ニュース深堀記事

前回の記事には事件そのものについて、色々と法律的な事なども含めて書きましたが、
引き続き世の中の反応が、必ずしも正しい方向に進んではおらず、どちらかというと反対側?に行きかねないと危惧し、今回はその後の動きや今後日本の航空会社はどうすべきか?等についてまとめました。

それにしても当該機に偶然搭乗した『マスク拒否客』『マスク警察旅客』以外の皆さんは本当に災難でした。お疲れ様でした。
前回の記事はこちら 
(投稿から1週間でヘボいブログにも関わらず1800PV以上感謝です。)

マスク着用拒否客のその後

10日に当該マスク拒否客の方(と思われる)がツイッターのアカウントを立ち上げまして、マスコミ等の取材も受け付け始めました。

世論が『マスク拒否して騒いで緊急着陸で2時間以上遅れ→コノヤロー』的に一方的になっている状態で、自分の意見を表明する事は本当に勇気のある行動だと思います。

この様にツイッターのコメントを読んでも、出発前のマスク拒否によってピーチの客室乗務員から『マスク拒否では出発できないので、降機してください』的な発言があり、これに反論しています。

また上空で『暴言』『威嚇』があったかについてもコメントがありますが、これについては前回記事にも書きましたが、上空で会社側がその様にみなしたというだけで、今後どちらかが裁判に訴え、判決が出るまでは誰にも判断する事ができない内容ですのでここではスルーしかありません。安全阻害行為があったかどうかについての立証責任は訴えた側に求められると思われます。

出発前からの『マスク警察旅客』による煽りと、それを仲裁する立場にある客室乗務員の『義務』と『お願い』を取り違えた対応があったとは言え、『マスク拒否客』がエキサイトしてしまった事は事実の様で、その様な状態になってしまったからには緊急着陸も致し方無いと思います。
ただ『マスク拒否客』が終始一貫悪い訳でもなく、ジェットスター便では静かに座っていただけで、客室乗務員も大人の対応をしていたわけで、『マスク拒否客』だけに全ての責任を負わせる論調は今後同様の事件を防げないと感じました。

さて事件から一週間経ち関連記事や拒否客側の反対意見や日本以外のコロナ対応も理解できてきたので、まとめて行きたいと思います。

その前に拒否客側に立つ記事も挙げておきます。
私は緊急着陸を招いた「マスク拒否おじさん」にむしろエールを送りたい

 ホリエモンはツイッター上で「クソ航空会社だな」「しつこくクソ真面目なCAが注意しまくるからこうなる」「私の知人はノーマスクでも無注意でスルー。スルーすりゃいいのに」などと連続投稿して航空会社側の対応を批判しています。 言葉使いにかなり問題がありますが、『注意しまくる』『スルーすりゃいいのに』などの指摘は完全に当たっているのではと思います。

国は何をすべきか?

前回の記事で、台湾は公共空間ではマスク着用を法的に義務化しています。

コロナをいち早く発見し、WHOに通報したにも関わらず、テドロスさんと中国に揉み消され、それならばと完全にコロナを抑え込み、マスク支援・マスク外交で世界での地位向上に邁進している国ですから当然と言えば当然です。

日本でも国や自治体による法的なものを決める事もできると思います。

 国交省危機管理室の担当者は「国内では公共の場でもマスク着用は義務化されておらず機内だけ義務化することが社会的に認められるのかどうか。法律改正が必要になる」と話しているようです。(朝日デジタル)

是非ともこの担当者の方には、『機内を含めた国内の公共の場でマスク着用の義務化が必要であるかを危機管理専門家の見地から考えて頂き、法改正が必要であれば国交省担当の大臣等に具申し、必要ないと考えれば、法改正しない現状で同様の緊急着陸が今後発生しない為の方法をご自身の頭でも考えて頂きたいです。
2021年になれば、オリンピックの為にマスク嫌いな国から沢山のお客様が航空機を使って来日します。

もし法律ができれば、今回の様な緊急着陸は国等の法律によって無くなります

もし国等の法律ができない現状が続く場合は、法律以外の何か他の方法を考える必要があります。次にそれを出来る主体は航空会社です。

航空会社は何をすべきか?

前回アメリカでは法律では無く、主要な航空会社が規則(約款)変更してマスクを義務化していると書きました。

アメリカでは日本と大きく違い、マスク着用の文化が無く、今年の2~4月は空港でもマスク着用率は5割前後だったと思います。そういった背景もあり義務化しないとマスク着用率が上がらない事から約款変更せざるを得なかったのかもしれません。

日本でも約款変更は業界団体が動けばもちろん可能です。

もし約款変更ができれば、今回の様な緊急着陸は約款変更によって無くなります。

しかし、もし約款変更ができない現状が続く場合は、約款変更以外の何かを考える必要があります。

国、航空会社が法律や約款などの規則を作らないのであれば、それをわかりやすく利用者に説明する必要がありますし、その前に従業員に説明する必要があります。

もう一度書きますが、2021年になれば、オリンピックの為にマスク嫌いな国から沢山のお客様が航空機を使って来日します。彼ら外国人の判断は非常に合理的ですから、法律や約款で定められていれば、マスク着用に従いますが、『要請』レベルであれば何度お願いしてもマスク着用が嫌であればマスクは着用しないと思います。 今回は航空機内にマスク不着用が一人のみでしたが、外国人比率が高まればマスク着用拒否客が数人~数十人に増えます

こういった場合にピーチ社はまた客室乗務員に出発前から離陸後までひたすらお願いしに行かせるのでしょうか?

要するに、法律も約款も無い状況でいくら国民の意識が高いからと言って、それに甘え本来単なる『お願い』『要請』であるにも関わらず、看板に『必ず着用』と書いたり、本来は感染症が明らかに疑われる客に対して用いる『搭乗拒否』に関わる文言を引き合いに出したり、本来は『運航の安全に不可欠な指示』に従わない客に対する搭乗拒否の文言をマスク拒否客の件でマスコミに出したりする事で、とりあえず航空会社側に世論の非難が向かわない様にするだけでは絶対に足りません。社会的責任を果たしていません。外国人に対応もできません

現状のまま、マスク着用を義務付ける法律も約款も無く、『要請』までとするガイドラインしか無いのであれば、それをまず従業員に正確に周知させる必要があります。今回のピーチの件もまず客室乗務員が『要請』を『義務』と勘違いし、さらにその『義務』が『運航の安全にかんする義務』であると二重に誤解し、その誤解に従って拒否客に対応している可能性が極めて高いです。

マスクを着用していない客に何度もしつこく『要請』を繰り返し、大声を出させ、飛沫をとばさせるのは本末転倒です。

今後同様な事件が起こらない為には、ガイドラインの『要請』の文言の取り扱いについて、社内で意思統一を図り、お願いが聞き入れられない場合にはそれ以上お願いしない事などを統一の手順とすべきです。 またマスク拒否客を責める客がいた場合には、健康上の理由などでマスクが着用できない客もいる事と、不着用の理由を会社として伺う権限もない事をしっかりと説明する事を手順とすべきです。

前回の記事でも書きましたが、マスク着用に関するガイドラインを作成した定期航空協会担当者は「航空機は換気能力が高く、着用の『義務化』まで必要ないという専門家の判断に従って作成した。今後も要請のままで、より厳しくする考えはない」と述べています。

海外に住んで、海外で仕事をする日本人の多くが理解する事だと思いますが、
日本国民は本当にモラルというか人間としてのレベルが高いです。
少しの差かもしれませんが、確実に差があります。
それは何百年、何千年も日本人が引き継いで来た素晴らしいものです。

当然ですが、現場にいる航空会社の社員も何も言わなくても、できるだけルールを守ろうと頑張ります。
航空機の乗客もできるだけルールやモラルを守ろうとします。
それは物凄く素晴らしい事で世界からすると奇跡の様な状態です。

しかし、ルール自体が正確に従業員に伝えられなければ、正しく運用できるはずがありません。
アメリカでは5月に同様の事件が起こっていますし、今回日本でも事件が起こったわけですから、日本の現状のルールを航空会社の規定類担当者が現場の従業員に正しく伝えなおす必要があると思います。

また従業員から乗客に、マスク着用が義務的ルールなのかモラルレベルなのか、その『目的』は何で『例外』は何なのかを説明すれば、理解できずに騒ぎ立てる乗客はほとんどいなくなるはずです。

今回の事件は航空会社の旅客機の中で『従業員』『拒否客』『その他の客』という三者の間で起こりました。コロナですので、そのほとんどが日本人だったと思われます。
素晴らしい日本で、素晴らしい日本人がこんなに馬鹿らしい緊急着陸に起こる事が悲しいです。

次は国、航空会社以外の一般客がどうするべきかを考えます。

マスクを着用したくない客はどうすべきか?

引き続き、国・航空会社レベルで法律・約款等新たに作らない現状が続く場合として話を進めます。

前回の記事から現状では、マスク着用は『要請』であり、マスク不着用は『全く法的な問題なし』と考えますし、健康上の理由を細かく述べる必要すら当然ありません。
航空会社は公共交通機関ですから、みんなの物です。
ルールに従い、今後もマスク不着用で航空機に乗って頂いて構わないと思います。

ただ一つ『お願い』があります。
『マスクを付けてくれ!』というお願いではありません。
客室乗務員はガイドラインより『お願い』する事が仕事になっているので、お願いされたら
『健康上の理由でマスク不着用です』と言ってください。
どんな健康上の理由かを細かく述べる必要はありません。

それに対してどんな健康上の理由かを聞いてくるバカな従業員もバカな客も日本にはいません。
嘘でもいいんです。健康上の理由ではなく、ただ単にマスクが嫌な人もいると思います。
それでも、できれば周りにいるみんなが快適に過ごせる様に嘘をついて欲しいです。

もしその嘘も付くのが嫌なのであれば、カウンターでチェックイン時に
私の前回の記事の中にあるJAL広報部の「マスク着用は義務ではなく、あくまでもお願いです。マスクを拒否しただけでは、搭乗をお断りするという対応はできません」
の部分をカウンターに提示して、マスク非着用で搭乗拒否には至らない事の確認を得てください。 (全く面倒な事ですが、従業員自体がルールを理解していない可能性がありますので、仕方ありません。 とにかく搭乗拒否される事も緊急着陸して目的地までたどり着けない事のどちらも誰も望んでいないはずですので、お願いします。)

それからもう一つお願いがありました。
今回の様に日本はマスコミが必要以上にコロナを煽り続けた結果、世の中にいわゆる『マスク警察』が溢れている状態です。 モラルとルールの境目が曖昧になってしまっていますが、彼らは善良で真面目な愛すべき日本人です。 その曖昧さはマスコミの報道の曖昧さから来ています。マスコミはそれをわかって続けています。『マスク警察』も被害者として寛容に見てあげて欲しいです。
彼らが機内でマスク拒否をする人間に、酷い言葉を吐いたとしても無視してあげて欲しいです。
いつか彼らも自らの言動が行き過ぎていた事を気づく事が来ると思います。

ですから、ひたすら無視をして決して大声を上げず、安全阻害行為と取られない様に慎重に行動して頂きたいと思います

マスクを着用していない人をどうしても許せない人はどうするか?

私の知り合いで物凄く潔癖症というか綺麗好きな男性がいます。
彼は毎食後必ず歯を磨かないと気持ちが悪い人でした。
彼はある女性との最初のデートに彼女用の歯ブラシを持って行き、一緒に食事を楽しみ、その後に歯ブラシを渡しレストランのお手洗いで歯を磨いてくる様に『お願い』したそうです。

幸いその女性はとても判断力のある方で彼の歯ブラシを受け取る事なく、その場を去ったようですが、、、まぁ歯ブラシを受け取るのも受け取らないのも自由ですし、彼から見れば『お願い』して嫌がられるのも自由ですし、懲りずに次の女性とのデートにも歯ブラシを持って行く事も自由です。

でも、もし歯ブラシを赤の他人から渡されて『お願い』されたら、どう思いますか?
やはり『義務』でもない事を赤の他人から『お願い』されたり、それをしない事で『非難』されたりするのって変ですよね。

今回機内でいわゆる『マスク警察』的な方がいて、『拒否客』との間で問題になっていたので、客室乗務員が代わりにお願いしに行って、離陸後も再び『マスク警察』から『拒否客』に『お願い&非難』があって、それで再び揉め始めて再び客室乗務員が行ったようです。

先程も書きましたが、飛沫が飛ばない為のマスクですから、拒否客も喋らなければ無害で問題はないはずです。あえて『お願い&非難』をして拒否客を喋らせたり、エキサイトさせて緊急着陸に至っては本末転倒だと思います。

一言でまとめる事は難しいですが、はやり自分と違う意見や感覚を持つ他人に対して寛容であろうと心掛ける事しかない様に思います。

自分と違う誰かに寛容になる事は日本人の一番苦手というか、苦手である事すら余り認識されていない部分かもしれません。
何千年も同じ日本人だけで仲良くやって来たのですから当然ではありますが、これからはどの国も多様化していきます。
多様性を認める社会で公平性を保ちながら、軋轢を少なくする為にはどうしても一定のルールや規則が必要になります。モラルという曖昧なものだけでは社会の平和が維持できないのだと思います。
これまでは日本は長い間、法律ではなく、モラルだけで社会が維持できていましたから日本人は新たなルールを作るのが苦手なのかもしれません。
またルールを作る様な偉い人(政治家)が嫌いなのかもしれません(笑)

台湾の『多様性』・『モラル』・『ルール』のバランスはどうか?

私が今住んでいる台湾は他人の事にとやかく言う風潮は日本ほど強くありません。一言でいえばユルい社会であり、難しく言えば多様性を認める社会です。

とやかく言う人は少ないですが、困っている人がいるとすぐに助けが来るモラルの高い社会でもあります。

ユルいので放っておくとみんなマスクをしないかもしれないので、特にコロナ関係は法律で『義務&罰金』にして、みんなでしっかりマスクをしています。

この間バスに乗ってマスクをし忘れていたら、知らないお姉さんが、新しいマスクを持って来てくれました。いわゆる『マスク警察』ですが、マスク着用は『義務』なので全く嫌な気持ちになりません。普通に『あっすみません、着用するのを忘れていました。ありがとう』となります。

『ユルさ』と『モラル』と『ルール』が合理的で上手く社会が回っているいる感じがします

どうしたら日本が上手く回るか?

  • 多様性にもう少し寛容になる様、一人一人が心掛ける。
  • いくら多様性と言っても、ルールが少なすぎると多様性を縛るのにモラルでは足りなくなるので、妥当な『ルール(法律)』を作る事を躊躇しない。
  • なにか『ルール(法律)』を作ろうとすると、何でもカンでも反対し『多様性を破壊するのかー』→『人権を踏みにじるのかー』→『黒人の人権が大切』→『警察縮小』みたいな感じで日本を含めた民主主義国家の治安が悪くなる事を望む国を資する様な方向に持って行こうとする政治勢力がどこなのかを意識する。(笑)

おまけ(ピーチ社は訴訟するか?)

結論的にはピーチ社は訴訟しないと思います。

前回記事にも書きましたが、基本ウヤムヤにしながらマスコミには自社に有利な情報を流しながら、『訴訟するかも』位のコメントを残しながら、事件が忘れられるのを待つという対応に終始すると思います。

安全阻害行為による緊急着陸の措置に対して、マスク拒否客が訴訟を起こしていない事から、ウヤムヤ状態でもその措置が正しかったと世間から認知されるからです。

敢えて自分から損害賠償請求等をすると、安全阻害行為の認定が正しかったかどうかの立証責任を求められるでしょうし、何度も書いて来た様に出発前の『降機せよ』的な対応は完全に間違っている訳で、訴訟によってそういった自社に都合の悪い部分まで明らかにされてしまう事を考えると、訴訟に買って数百万手にした所で、一部悪評も得てしまうので、経済的にもマイナスになってしまうと考えられます。

逆にマスク拒否客にはツイッター上でも戦っていても、世論がひっくり返る事は絶対に無い訳で、本当に納得いかないのであれば、『マスク警察旅客』からの侮辱や『ピーチ社のご対応』を訴えてみて欲しいと思います。 訴えるのは自由ですから(笑)

おまけ2(ピーチはブラックリストに入れるか?)

ブラックリストに入れるのは、公共交通機関ですから慎重に運用しているはずです。

今回は安全阻害行為で緊急着陸していますし、その後マスク拒否客から訴えられてそれが覆ったわけでもありませんから、今の所はマスク拒否客がそれを妥当な措置と受け取っている事になります。
現状のままであれば、ブラックリストには入れると思います。

それをグループ企業(ANA等)と共有する程度に悪質で危険旅客かについては微妙ですね。
何度注意してもトイレでタバコ吸っちゃう旅客の方が悪質(危険)だと思います。

おまけ3(当該便に実際自分が搭乗していたらどうしたか?)

『マスク拒否客』と『マスク警察客』が揉め始めた所ではまだ黙ってみてるかもしれません。

動画はとって置いた方が、後で航空会社や旅客側が必要とするかもしれませんので撮ります。

絶対に関西空港に早くたどりつきたいはずなので、出発前に客室が降機ウンヌン言い出したら、『それは違います、もうマスク着用をお願いしたからお仕事は終わっています、さぁ早く出発しましょう!』と言います。

上空で安全阻害行為とか客室乗務員が言い出したら、またはマスク拒否客が客室乗務員から前方に呼ばれた所で、マスク拒否客に『行く必要はありません。マスク着用は義務ではありません。黙って堂々と着席しててください。』といい、客室乗務員に『客を興奮させない事が安全の為に一番大切です。今はもう上空です。マスク警察旅客を黙らせる事も考えてください。マスク着用を何回も何回もお願いする事は強要に感じると思います』と言います。

それでも多数の『マスク警察旅客』から今度は自分が絡まれ始めたら、また黙って無視して着席するしかありません。『マスク警察旅客』が多数になると、もう制御できません。今の日本そのものの様です(笑) 

Q&A コーナー その① (ツイッターで話題に上がったので、)

ピーチ社の約款に『他の旅客に不快感を与え又は迷惑を及ぼすおそれのある場合』は旅客を降機させる事ができるとあるので、マスク付着用で搭乗して『お願い』を聞き入れない状態はこれに当たり、動画の中でピーチ社の客室乗務員が『マスクを着用して頂けないと出発できないので、降機して頂く事になります。』と言う発言は約款に沿っていて問題はないのでは?

という意見がありましたので、私の考えを書きます。

前回の記事でも書きましたが、現在日本の航空各社のマスク対応は、法改正でもなく、約款変更でもなく、定期航空各社が加入する定期航空協会が作成したガイドラインに沿って各社横並びでそれに沿って対応しています。

北海道新聞の記事に定期航空協会担当者の「航空機は換気能力が高く、着用の『義務化』まで必要ないという専門家の判断に従って作成した。今後も要請のままで、より厳しくする考えはない」というコメントが載っています。 

またハフポストの記事にはJALの広報担当者のコメントとして、
着用していない人に対して声掛けはするが、相手が拒否した場合、それ以上の対応はできないという。
「マスク着用は義務ではなく、あくまでもお願いです。マスクを拒否しただけでは、搭乗をお断りするという対応はできません」と説明する。

更に朝日デジタルの記事では、
国交省危機管理室の担当者は「国内では公共の場でもマスク着用は義務化されておらず、機内だけ義務化することが社会的に認められるのかどうか。法律改正が必要になる」と話しているようです。

今回ピーチ社の客室乗務員が旅客にマスクを着用する様に『お願い』をしました。
この『お願い』を拒否したから、他の旅客に不快感を与え、迷惑を、、、、という解釈には、到底ならない事はお分かり頂けると思います。 私の考えも間違っている可能性がありますが、弁護士を名乗るyoutuberの考えが間違っている可能性もありますので、ゆっくりと皆さんでも考えてみてくださいね。

Q&A コーナー その② (ツイッターで話題に上がったので、)

Q&A①での約款に関する私の解釈が正しかったとしても、ピーチ社の約款には更に『当社係員の業務の遂行を妨げ、又は、その指示に従わない場合』にも降機させられるとあるので、ピーチ社の客室乗務員が『マスクを着用して頂けないと出発できないので、降機して頂く事になります。』と言う発言は約款に沿っていて問題はないのでは?

という意見がありましたので、私の考えを書きます。

マスクの着用についてガイドラインは『要請』という言葉にとどめており、Q&A①でのハフポストの記事にはJALの広報担当者のコメントの通り、現場では『お願い』する事になっています。ですからマスクの着用を客室乗務員が旅客に『指示』する事はあり得ません。
万が一『指示』が可能だったとしても、法律や規則にある文言は『社会通念上の妥当性を有する』必要があります。この場合『マスク着用指示』に社会通念上の妥当性があるかと言う事ですが、法改正せず、約款変更せず、ガイドラインによる『要請』で全く問題ないと航空会社自体が考え、それを元に公共交通機関業を営んでいるわけですから、『社会通念上の妥当性』を有しない事は明らかです。

例えば、飛行中に爆破予告電話を会社が受けて、機内捜索したが爆弾が発見されない様な時に、『機長が全乗客に全裸になって客室乗務員にチェックさせる様に指示したらどうでしょ?それでも見つからない場合お尻の穴の中までチェックさせる様に指示したらどうでしょう?

他の例を挙げれば、もし機長が旅客全員に『到着後も降機しない事』を指示したら、それに従わない旅客は降機しなければならないという変な状況になります。 
会社側の旅客に対する指示は、妥当性を有する必要が当然ありますし、通常航空会社が旅客に対してできる指示は『運航の安全』に関するものだけです。 マスク着用の『お願い』はどうやっても『社会通念上の妥当性を有する運航の安全に関する指示』にはなり得ない事がお分かりいただけると思います。

今回ピーチ社緊急着陸事件でマスク拒否客は、『暴言』『威嚇』が安全阻害行為に当たると判断した会社側の措置で降機しました。 この事と『マスク拒否したから出発前に降機してください』という事は全く別の話であって混同しやすい部分ですので、注意してくださいね。

前回に引き続き読みづらい素人の文章を最後までお読み頂きありがとうございました。
私は『新潟空港ピーチ機緊急着陸』についてのブログ記事を2本書いて疲れたので、普段の台湾関係のユルいブログ生活に戻ります。
次の百年も日本が素晴らしい国である事を強く祈りつつ締めの言葉とさせて頂きます。

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