なぜ航大三次操縦適性検査は未だにFTDだけなのか?

航空大学校入試

なぜ航大三次操縦適性検査は未だにFTDだけなのか?

航空大学校三次試験の操縦適性検査はFTDを使って行われます。

『せっかく航大にFTDがあるんだから、ソレを使って検査して何が悪い?』と言われそうですが、このFTDのみを使った試験方法については近い将来変更されるんじゃないかなぁ~、、、というか個人的には変更されて欲しいなぁ~と思っています。

まず航大・私大卒業時のライセンサーが臨む【技能試験】とは違う?

この時の試験には大学所有の

FTDや航空会社が保有するシュミレーターが使用されます。

フライト訓練で培ってきた【技能】をチェックする為の試験です。

入学時には素の飛行適性にある程度の幅がありますが、2年以上の訓練期間を経て、教育機関と個々の努力などにより【技能レベルの差】はかなり小さくなります。

その【差】を見極める為の試験です。

一方、自社養成、航大・私大入試はズブの素人に対して、最終的に【技能】を身に付けていく為の基本的な素質を見極める試験です。

大手航空会社であるJAL・ANAの自社養成試験の飛行適性検査にはパソコンが使用されています。

大量に押し寄せる受験生の【素質】をコスパ良く見極める為に最良だと判断し、毎年パソコンを使っているのだと思います。

もしかしたらシュミレーターより安価に動かせるFTD自体が大手にそれほど無いからかも知れませんが、僕はもし自社養成試験に使える社内で余ったFTDがあったとしても、やはりパソコンでの飛行適性検査をするのだと思います。

パソコンの方が素人の適性検査として優れている点

例えば、パイロットとしての素質を測る為の指標が、重要な順にAからJまで10項目あったとします。

ココで細かく書きませんし、そこまで深く考えた事もありませんが、『状況認識力』『瞬時の計算力』『空間識別能力』『瞬発力』『動体視力』などが、A~Jなどのどれかに当たりそうです。

パソコンでの試験科目が①~⑤まであったとすると、
①はA,C,D,Jをチェックでき、
②はA,B,D,H,Iをチェックでき、
③はB,D,E,Fをチェックでき、
④、、、
⑤、、、

の様に部分的に重複しながら、概ねA~Jまでの全項目を網羅できる様に設計されていると思います。

そして①~⑤の科目の中で、それぞれの受験者に沢山ミスをして貰って、ミスの出現度や傾向などを分析する事で【素質】を判断していると思います。

コレに対して航大のFTD試験は、、

FTDを使って超簡単な科目を受験生にして貰って、【素質】を判断しようとしています。

飛行機に乗り始めて間もない頃の慣熟訓練をそのまま抜き出して【飛行適性検査】と名付けている様な感じです。

A~Jに細分化して、どうのこうのという検討の結果として導き出された方法では無い様に思います。

『フライトの素養をFTDで実際にフライトさせてチェックしていて、全く問題ないじゃないか?』などというツッコミもありそうですが、実際のフライトから色々な部分を省いて簡略化していますから、A~Jのうちの『E,F,G』がほぼチェックできない状態!みたいな感じになっていると思います。

更に試験時間中、ミスをしない時間帯が長いので、数個しか発生しないミスの評価の仕方が死ぬほど難しいというか無理なゾーンに入ってしまう可能性が高いです。

崇城大学ではFTDを使って、レイジーエイトなどの複雑な飛行科目を飛行適性検査で行っていますが、これは上記のミスの少なさを避ける為の方法だと思われます。
関連記事:崇城大学航空操縦学(パイロット)専攻入試の【飛行適性検査】はコレだ!

ただ、この方法でもパソコンと比べてA~Jを網羅的に見れるか?という面で劣りますし、特別な事前練習をして臨んだ受験生に特別有利な評価が付いてしまう危険性もあります。

実はANA自社養成試験でもシュミレーターをやらしている(いた)

ここまでパソコンでの適性検査の方が優れている事を説明してきましたが、だからと云ってFTDやシュミレーターによって【素質】が全く測れないか?と言われれば
『時間が許すなら、コスパが許すなら、シュミレーターもやらせて判断したい』が本音です。

今年(2022年)はANA自社養成採用が再開されたばかりで、まだ分かりませんがコロナ前ANAさんは選考が進んだ受験生にはシュミレーターをさせて評価していました。

これによって、パソコンより遥かに経費はかかるけど、パソコンでは評価し切れないA~Jのどこかを詳しくチェックしていたのだと思います。

関連記事:全日空(ANA)自社養成パイロット就職活動 全部まとめてQ&A

結論:僕が考える航大三次飛行適性検査の理想形

【パソコンでの飛行適性検査】+【従来通りのFTDによる飛行適性検査】

航大としては数台のパソコンを準備するだけで可能となる試験の形です。
パソコンとFTDと両方でチェックする事でより精度の高い評価が可能となる。
FTD教官の【第六感】に頼った評価部分が減る。
しかも、宮崎での三次試験は空き時間が結構あるので、パソコン試験を追加する事は十分可能。

⇒より公正・公平な試験になり、大手航空会社が求める【素質】を持った受験生を確保しやすくなり、航空会社から航大への評価も上がり、就職氷河期でも内定率が落ちず、より多くの受験生が集まり、よりレベルの高い学生を確保できる様になる。

メデタシ、メデタシ

航大がこう変わったらイイナァと思う内容をまとめて書き留めていってます

航大(航空大学校)への提言 『英語力UP』『総合Ⅰ不要』『過去問出版』『成績開示方法』『プライバシー』

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